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2022.11.01数字の見える化が社員の意識を変えた。自律経営システムが導く幸せな組織づくり

導入実績

宮城県仙台市で自動販売機、券売機、セルフレジ等の販売事業、リースレンタル事業、オウンドメディア事業、デザイン事業を展開する株式会社パルサー。
平成元年の創業以来、順調に業績を拡大。ここ10年で前年比125%の粗利目標を達成し続けている一方で、「人が幸せになる組織をつくる」という志の実現には遠かった。部署ごとの意識の違い、評価指標への違和感、社員が自発的に動けない状況。そんな組織の課題に直面していた。そこで管理会計をサポートする自律経営システムを導入し、現在進行形で改善が行われている。どのように自律経営システムを会社に定着させていったのか、組織にどんな変化があったのか。代表取締役の阿部章氏(画像右)、営業部の庄子晃平氏(画像左)に話を聞いた。

株式会社パルサーHP
オウンドメディア
自動販売機JP 券売機JP セルフレジJP

数字への意識がバラバラ。現場でスピーディーに判断できないもどかしさがあった。

自律経営システムの導入前は、何を課題に感じていたのかお聞かせください。

阿部:卸売業なので、導入前は基本的に粗利をベースに管理していました。そのため、数字を強く意識している部署は営業のみ。他の部署、例えばカスタマーサポートやクリエイティブについては一応粗利目標はあるものの特に意識はされず、目標達成に大きな関心がなかったのが当時の状況です。数字に関しては営業部だけが頑張っている状況がありました。

粗利をベースにした目標設定にも課題感がありました。営業部に関しても、例えば全国各地へ訪問すれば受注率が上がると判断して訪問をすると、粗利目標は達成する。しかし旅費交通費は倍増してしまう。それぞれの現場判断の粗利目標がベースになっていたので、最終的に営業利益が出ないといったことが起きていました。今回は出張に行ってもいいのか、行かないほうがいいのか。上まで相談がきて判断する場面が多々ありました。そこの判断が現場で出来ない状態だったんです。

実際の数字と行動を、現場で正しくスピーディーに繋がるようにしたい課題感があったんですね。

阿部:自分も経営者として、つい現場で隅々まで社員に口出ししてしまうことがありました。社員を幸せにしたいからとみんなが転ばないようにサポートをしてしまう。現場のためを思って入れば入るほど、現場が離れていく感覚がありました。無意識に子どものやる気を削いでしまう、おせっかいな親みたいな感じでしたね。それは自分が本当に目指したい幸せな組織なのか、自問自答していました。

一人一人が考えて動ける組織へ。「仕組みを変える」と決めて自律経営システムを導入。

自律経営システムを知ったきっかけは何だったのでしょうか。

阿部:もともと「人が幸せになれる組織を作りたい」という思いがあって、評価指標の変更を考えていたときに、GCストーリーの西坂社長にお会いしたんです。

評価指標を作るなら、やっぱり数字の問題が出てくると感じていました。粗利だけを指標にすると、経費を無駄に使って粗利を出す人、経費を使わずに粗利を出す人、そもそも粗利に関わらない部門の人、誰がどう評価されるのか曖昧なのでなんとかしたいと思っていました。

最終的に自律経営システムが必要だと判断した理由は何だったのでしょうか。

西坂社長から自律経営システムについての話を聞き、この仕組みは社内を管理するためではなく、一人ひとりが自律的に考えて動ける組織、人が幸せになる組織になるためにやるものと聞いたので、ピッタリだと思いました。自律経営システムを導入する目的は、管理のためではなく、社員自ら数字を把握して、考えて、決断して行動することを経験していく、その経験の積み重ねが社員の成長にもなりますし、自己決定量も増えて幸福度が向上すると思いました。あくまで人が幸せになれる組織のためです。

ちょうどコロナで業績が落ちたタイミングだったのもあり、何か根本から変えないといけないんじゃないかと思いました。今までは赤字になりそうだと社員に「これをやろう、あれをやろう」と口を出していましたが、それをしない決断をしました。大きな意識チェンジでしたね。結果として赤字にはなりませんでしたが、赤字になったとしてもみんなの経験になればいいと思い、心の中ではそれくらい覚悟を持っていました。

一時的に会社が傾いたとしても、組織全体を強くしたいという考え方だったんですね。

阿部:そのほうが自分が作りたい「人が幸せになる組織」になっていくと思います。今と同じやり方は続けない。変えると決めたので変えていく。そんな気持ちでした。

数字の見える化で、自身の行動と経営の結びつきを考える文化が形成された。

自律経営システムを導入してから、社内ではどんな効果があったんでしょうか。

庄子:自律経営システムを始めてから、社員それぞれが「正しい数字の付け方は何だろう」と意識するようになっているのが、私が見ていて感じる変化です。突発的に生じていた業務などに対して、今まで数字をどこに付けていたのかといった問題が顕在化してきました。デザインチーム単体の売上でつけるべきところを、窓口が営業だからと何となく営業につけていたり。メンバー自ら、この案件は自分のチームの売上につくものだから、お客さん窓口も含めてやりますよと言ってくれたりとか。そういう話がみんなから出てきています。

一番印象的だったのが、導入前に「入力の手間を増やすのが辛い、手が回らないよ」と反発していたメンバーが、今では見える化するために日報の項目なども細かく設定し始めたことです。これまでブラックボックスだったからこそ、見えない工数が発生していた部分が見える化されると打ち手が明確になり、自律的に動けるようになっていると思います。

阿部:一番数字が嫌だ、案件毎の入力なんて出来るわけがないと言っていた人が、率先してやり始めましたね。

導入にあたり、段階を区切ってフェーズ1ではリーダー層のスキルアップ、フェーズ2ではメンバー層のスキルアップという順で実施させていただきました。仕組みを変えていく中で、やはり社内からの反発や不安はありましたか。

庄子:阿部社長から導入の背景や思いは聞いていましたが、得体の知れないものだとみんな不安に思っていた部分がありました。営業メンバーはまだしも、CSやクリエイティブチームは普段数字に触れていない人たちです。そんなに数字をガチガチで見ていかないといけないのか、数字で目標を管理されるのか、そういったイメージが先行してしまって反発がありましたね。

その反発はどのように解消されていったのでしょうか。

庄子:そこはココシフの皆さんとも相談をさせてもらいながら、ステップを踏んでいきました。社長とも密にコミュニケーションを取って、いきなり最初から案件単位で全部数字を入力していくのは難しい、などと合意を取りながらやっていけたので、それが大きいと思います。やっていく中で、出来る範囲で少しずつ浸透させていく方法でした。

今では最も数字から意識が遠かったチームが、自分たちの生産性を高めるにはどうしたらいいか、みたいな会話をしています。数字が見えることによって、自分たちの改善が会社の経営にインパクトしていると実感して動いているんです。すごく変わったなと思います。

フェーズ1の研修の中で、リーダー層のみなさま自身がモチベーション高く取り組まれていると感じました。それはどこから生じていたのでしょうか。

庄子:最終的にはメンバーに前向きに取り組んでもらいたい思いがあったので、自分たちもマイナスに捉えず取り組もうという責任感がありました。リーダー層も最初は何がどう変わるのか分かっていない部分があり、分かっていないものをメンバーに伝えることはできない。なので、自律経営システム、管理会計というものがどういったものかを見定めて、早急に理解しなければと思っていました。

とはいえ、その不安は1回目の座学研修をやっていただいた後にほとんど解消されていました。「どういうものかわからない」が一番の不安だったのですが、体重計に例えていただいて腹落ちしました。「確かに毎日見ないとどう進捗しているか分からないよね」「面白いもんだね」とみんな言っていました。それからは、これをどう運用していったらいいかという考え方にすぐシフトしました。

数字をリアルタイムで見る意識がかなり上がっていると感じています。しかもそれを楽しんでやられていますよね。

阿部:人間心理としても、少し見えるようになると全部ちゃんと見たくなるんですよね。社内の情報格差がどんどんなくなっています。

庄子:以前だと全部私から社内へ「報告を上げてください」と言っていたんですが、みんなから勝手に報告が上がってくるようになりました。「すいません庄子さん、この案件が来月にずれます」とか。

阿部:相当文化が形成されましたね。

感情的な納得度が高い状態で、会社を自律的に成長させていく。

自律経営システムを実践する中で、今後取り組んでいきたいことはありますか。

庄子:ようやく現状が見える化できて、ここからまたココシフの皆さんに協力してもらいながら下期、来期に向けたマスタープランを作成します。次は自分たちが立てたその目標に対して実践し改善する、自走するための仕組みを作っていくフェーズだと思っています。

社員一人ひとりが自分たちのアクションによって会社にどれくらい寄与していくのか実感できると、日々の業務がより楽しくなり、創意工夫が生まれると思います。みんなが勝手に改善に向けて行動する状態まで組織を持っていくことが、今後の目標です。

阿部:もともと幸せな組織を作っていく、自律型組織にしていくことを目的としている会社なので、そこは前提としてやっていきます。自律経営システムを導入してから、リーダー層もメンバー層も感情的に納得度が高い状態で数字と向き合ってくれています。会社としてはすごくいい流れで動いてきているので、継続したいですね。

伸びしろの部分を社員に任せてもっといい会社にしていく。あとは新しく人が入ってきたときに、スキル的にも情報的にも感情的にも、どう伝えてより一体感を醸成していくのかが今後の挑戦かなと思います。

最後に、どういう悩みを持つ企業に自律経営システムをすすめたいかお聞かせください。

庄子:一番効果が出て面白いと思うのは、混沌としていて見える化できていない課題感のある会社です。混沌としているからこそ、整理して数字が見えるようになったら「うちの会社、こんな感じだったんだ」と分かる瞬間が面白いと思います。

私たちは複数の管理ツールを使っていたので、全体でどう数字を見るべきかハードルがありました。ココシフではどんなツールを使うかではなく、そもそも管理会計とはどういうものなのか理論をしっかり理解することを重視した上で、現状使っている管理ツールにそれをどう当てはめるのかを一緒に考えてくれるので、まずは相談してみるといいと思います。

阿部:結局、経営者が変わらないと組織は本質的に変化しないと思います。経営者本人はトップダウンではないと思っていても、実質トップダウンになっている企業って結構あると思うんです。その認識のズレがあると難しい。一番のリスクは、そのままの組織であること。経営者が変わらないと変化は起きない。そう気づいている方に、ぜひすすめたいですね。

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